こんにちは、nanaoです。
今日はお客さんからの質問でよく聞かれる、木材について書きます。
セレクトハードウッドとは?
雑誌などの、『ギターを作る木材が少なくなっている!!』という記事や、ネットでの書き込みを見たお客さんから、「もう木が無いんだよね?」と、よく質問を受けます。
そこで、楽器店へ営業に来るギターメーカーの方に聞いてみました。
結果は、すぐに木材が無くなる事はない!との返答でした。
例えば、マーチンのギターのネック材は、Select Hardwood(セレクトハードウッド)という表記に数年前からなっています。
お客様より「セレクトハードウッドってどんな木材?」なんて質問をうけます。
私も、初めは何か疑問でした。
そして、「マーチンのギターはマホガニーじゃなくなったんだよね。。」と言う声も聞きます。
ですが、現在でも、マーチンギターはマホガニーを多くのギターに使っています。
確かに、実際にマホガニー材に代用できる、スパニッシュシダーを使っている個体もあります。
よく見ると杢目が違います。
では、なぜマホガニーと表記しなくなったのか?なぜ表記を変えたのか?疑問に思うでしょう。
工場では、年間10万本以上のギターが製造されています。
その1本1本に使用する木材を、マホガニーかそれ以外の木材かを判別するのは手間がかかります。同じモデルでも使う木材が変われば、その都度に表記を変える必要があるからではないでしょうか。
実際にマーチンギターは、価格は関係なく一部の高額品やカスタムモデルを除き、表記をセレクトハードウッドで統一されています。
良質な木材とは
良質な木材は、世界的に少なくなってきているのは事実です。
木材は当然にすぐ生える事はなく、木が大きく育つまでには長い年月がかかります。
そして、木材を加工するためには、伐採してから水分を飛ばす必要があるため、長期保管期間が必要です。
現在、良質な木材を使った素晴らしいモデルが世界中で作られている反面、木材が減ってきているのも事実です。
木材のグレードとは?
木材のグレードについては、様々な基準があります。
よく目が詰まっている!!とか、節があるとか言われます。もちろん杢目も重要ですが、木材自体の良さもグレードに関わってきます。
同じスプルースでも、職人は指で叩いて、作る前から音のイメージをします。
ブランドによってもグレードは変わります。
たとえば国産メーカーと海外メーカー、木材屋によっても基準は変わります。
入手した木材を、それぞれの基準で分け、更にモデルにより使い分けているメーカーが多いです。
まとめ
良質な木材は、すぐには無くなる事がなくても、将来的には不安があるでしょう。
実際マーチンギターのメーカーは、木材に似せた集成材(HPL)を使ってギターを製造されています。
高額品は、ヘッド部分の両サイドに木材を継ぎ足して使用してることもあります。
もちろん、まだまだ世界中には使える木材は沢山あります。ですが、私たち人は、限りある資源を大切にするべきではないでしょうか。
だから、一流メーカーが木材を大事にする姿勢は、私は素晴らしい事だと思います。
そして、他のブランドにもお手本になってほしいと思っています。